空き家を売却するなら今がチャンス!賢く売るための方法
近年、日本では空き家が増えています。相続した空き家を売りたくても、どう売るのべきなのかがわからない方がいるからです。しかし、空き家を放置していると資産価値が下がるだけでなく、管理コストがかかります。使う予定がない家は、早めに売却を検討しましょう。この記事では、空き家の売却方法について解説します。売却にかかる費用や利用できる制度も解説しますので、参考にしてください。
空き家の売却方法は3パターン
空き家を売却するには、現状のまま売りに出すほか、リフォームをして売る、更地にして売るという方法があります。それぞれの売り方の特徴について解説します。
そのまま売却
一番手間が少ないのは、現状のままで売却する方法です。売却後に買い手が家のリフォームや修繕を行うため、売り主の経済的な負担を軽減できます。その分、安い価格での売却となる可能性はありますが、手間やお金をかけずに売却したい方におすすめの方法です。
不動産会社に仲介してもらう場合は、買い手が見つかるまで時間がかかることもありますが、不動産買取業者に売却すれば空き家をスピーディーに売却することも可能です。
リフォームして売る
リフォームをすると印象がよくなり、空き家を現状のまま売るよりも、売却価格が高くなる傾向があります。
しかし、リフォームには費用がかかります。希望する売却価格で買い手がつかない場合には、赤字となるリスクがあることを踏まえておきましょう。また、リフォームには時間がかかるため、空き家をすぐに売却したい方にはおすすめできません。
買い手の好みもあるため、リフォームを行う場合はできるだけ必要最低限に留めるのがよいでしょう。
更地にする
更地にすると、建物の維持管理費用がかからなくなるというメリットがあります。また、中古物件でなく、土地だけを探している人もいるため、早くに売れる傾向があります。
しかし、更地にする費用は決して安くありません。空き家の状態があまりに悪く、すぐに解体する必要がある場合を除いて、更地にするのは急がないほうがよいでしょう。更地にする場合は、解体費用を助成してくれる自治体もあるため、確認してみましょう。
また、空き家のある状態に比べ、更地になると固定資産税が高くなる点にも注意が必要です。固定資産税は1月1日時点での状況で決定されるため、更地にする場合は年明けすぐがおすすめです。その年のうちに売却すれば固定資産税を節約できます。
空き家は早めに売却しましょう
空き家を売却しようと思っていても、忙しい日々のなかで空き家のことはつい、後回しになりがちです。しかし、空き家を放置していると、買い手がつかないだけでなく、さまざまなデメリットが生じます。
維持費がかかる
空き家の維持費で金額が大きいのは税金です。居住していなくても、税金はもちろん納めなくてはなりません。さらに、空き家のまま放置しておくと特定空家とみなされ、固定資産税(場所によっては都市計画税)が倍額になるケースもあるため、空き家をそのままにすることはおすすめできません。
また、住んでいなくても、契約を解除しないままだと光熱費の基本料金を払い続けることになります。さらに、防犯や近隣の住民への配慮から、定期的に空き家を訪問する手間もかかります。家の掃除、庭の手入れなどは面倒ですし、自宅から遠ければ交通費も軽視できないコストとなります。
家が傷む
人が住まなくなった家は劣化が早くなります。人が住んでいる家であれば、換気や掃除は定期的に行われます。屋根や壁が劣化しても、それに気づいて早めに対処できるでしょう。
しかし、空き家の手入れは行き届きにくいものです。窓を締め切り、換気が行われないままだと、湿気が原因でカビや腐食が発生しやすくなります。家の劣化を見落とすと、水道管の凍結や雨漏り、シロアリなどの大きな問題が生じる場合もあります。
空き家をそのままにしていると、いざ売却しようと思った時にはあちこち修繕が必要になり、思わぬ痛手となるかもしれません。
不動産価値が下がる
建物には耐用年数があり、家の不動産価値は、年数が経つほどに下がります。つまり、空き家を放置している年数が長くなるほど、高く売却することが難しくなります。
さらに、近年、空き家の数が増える一方で、人口は減少しています。空き家バンクなど、空き家を有効活用するための取り組みはあるものの、需要と供給のバランスから、空き家の不動産価値は今後も上がりにくいといえるでしょう。
相続した空き家は3年以内の売却がおすすめ
相続した空き家については、取得してから3年以内の売却がおすすめです。相続した空き家を売却する際には税金がかかりますが、3年以内であれば売却時の税金を抑えられる可能性があるからです。
具体的には「取得費加算の特例」や「空き家特例(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)」という制度があります。
これらの制度を利用すると税金を安くすることが可能です。とくに、空き家特例は売却で生じた利益から3,000万円を控除できるため、ケースによっては非常に高い節税効果を得られます。
取得費加算、空き家加算それぞれに適応条件があり、相続した空き家を売却する方すべてが利用できる制度ではない点にご注意ください。いずれにしても、相続開始から3年を過ぎると制度が利用できなくなります。売却に時間がかかる場合もあるため、制度の利用を検討したい方は、早めに税理士に相談しましょう。
空き家売却時にかかる費用
空き家を売却する際には、さまざまな手数料や税金がかかります。以下に主な費用について解説します。実際に売却する時は下記の費用も確認するようにしてください。
譲渡所得税、登録免許税、印紙税などの税金
空き家を売却した場合は、生じた利益に対して譲渡所得税が課せられます。
譲渡所得税の税率は空き家を所有した年数によって変わり、5年を超えると安くなります。具体的には、空き家の所有期間が5年以下の場合は39%、5年を超える場合は20%です。なお、2037年までの間は確定申告の際に別途、復興特別所得税(2.1%)がかかります。
また、不動産は名義人でなければ売却手続きができません。売却のために名義人を変更する際には、登録免許税がかかります。さらに、不動産の売買契約書には印紙が必要です。
登録免許税や印紙の金額は空き家の金額によって異なるため、詳細は不動産会社や税理士に確認するようにしましょう。
仲介手数料、リフォーム費用など
空き家を売却する際、不動産会社に頼めば仲介手数料が発生します。仲介手数料は空き家の価格にもよりますが、上限は「売却価格×3%+6万円」です。
ちなみに、不動産会社を仲介せず、個人間で取引する場合は、当然ですが仲介手数料はかかりません。個人でのやりとりが不安な方も多いですが、費用を抑えて売却したい方は、空き家バンクなどのマッチングサイトを利用してもよいでしょう。
また、売却前に空き家の修繕や解体をする場合も、売り手が費用を負担することになります。ときに大きな出費となることもあるため、予算を確認した上で行いましょう。
まとめ
ここまで、空き家を賢く売るための方法について解説しました。空き家には維持コストがかかり、時間が経つほどに資産価値が下がるため、早めの売却をおすすめします。とくに相続した空き家は税金の優遇制度があるため、3年以内の売却がお得です。売却方法としては、現状での売却、リフォーム後の売却、更地にしての売却という3つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、家の状態や手間、かけられるコスト、希望する売却のタイミングなどを考慮しながら検討してみてください。