不動産の個人間売買は難しい?メリットやリスクを説明!

公開日:2025/05/15  

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不動産の個人間売買は、不動産会社を介さずに売主と買主が直接取引する方法です。仲介手数料が不要になるなどのメリットがある一方で、手続きの煩雑さやリスク管理が課題となります。適切な知識や準備がないとトラブルに発展するケースも少なくありません。本記事では、個人間売買の魅力や注意すべきリスクについてくわしく解説します。

不動産の個人間売買のメリット

仲介業者を通さずに個人間で不動産の売買取引を行うことにはいくつかの大きなメリットがあります。今回は、個人間売買のメリットについてくわしく見ていきましょう。

メリット1: 仲介手数料がかからない

不動産の売却で不動産会社に仲介を依頼すると、売買価格に対して仲介手数料が発生します。
売買価格が800万円を超える場合、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円」に消費税が加算される仕組みとなっています。

たとえば、売却額が3,000万円の場合、仲介手数料は「96万円+消費税」になります。物件の価格が高ければ高いほど、その分仲介手数料も高額となります。

そのため、たかが仲介手数料といえど決して侮れない金額になるのです。
しかし、売主と買主の個人間で直接取引を行えば、仲介手数料が一切かかりません。

高額な物件を売買するなら、なおさら大きなメリットといえるでしょう。

メリット2: スケジュールの調整がしやすい

不動産会社に仲介を依頼すると、売主と買主のスケジュールを調整し、内見や契約手続き、引き渡しなどを進める必要があります。
これらの調整には時間がかかり、双方の都合を合わせることが難しい場合もあります。

また、不動産会社が関与することで、手続きや契約書の作成に関するやり取りも増え、時間的な負担が増すことがあります。

一方で、個人間売買の場合、売主と買主が親族や知人などであれば、スケジュールの調整が非常に柔軟に行えてスムーズです。
お互いに顔が見える関係であれば、内見や契約のタイミングをお互いの都合に合わせやすく、ストレスなく進められるでしょう。

メリット3: 交渉が自由

仲介業者を介さない個人間売買では、価格や条件に関して柔軟に調整が可能です。
たとえば、物件の価格に関して譲歩することができる場合もあり、売主と買主の双方が納得する形で取引が進められます。
仲介業者が間に入るより、条件をより自由に調整できるでしょう。

不動産の個人間売買のリスク

不動産の個人間売買は、プロの仲介業者を介さずに直接行う取引ですが、その利点に対していくつかのリスクをともないます。以下では、個人間で不動産を売買する際に直面しやすいリスクを解説します。

トラブルが発生しやすい

いくら家族や仲のよい友人間であっても、口約束で進めた不動産取引では「言った・言わない」のトラブルに発展する可能性があります。
仲介業者がいないため、当事者同士の意見や認識の相違が解決されないまま取引が進んでしまうことがあり、物件の瑕疵や契約内容に関して認識にズレがある場合、トラブルに発展しやすいでしょう。

こうしたリスクを防ぐには、法的効力をもつ売買契約書や重要事項説明書の作成が必須です。
しかし、書類の作成には、専門知識が求められる場面も多く、実際には書類の作成や手続きを司法書士に依頼して代行してもらうことが一般的です。

司法書士には報酬が発生するため、このコストを見込んでおかなければなりません。

広告出稿のコストがかさむ可能性が高い

不動産の買い手を見つけるために、広告を出す必要がありますが、個人で利用できる広告媒体には限りがあり、その範囲で効果的なマーケティングを行うのは難しい場合もあります。
広告費用がかかるうえ、売却までに時間がかかることもあるため、この点も事前に考慮しておくことが必要です。

住宅ローンの審査にとおりにくい

不動産を購入する場合、住宅ローンの利用を考える方がほとんどでしょう。
しかし、個人間取引をした不動産は、住宅ローンの審査が厳しくなります。

また、住宅ローンを組む際は、重要事項説明書の提出を求められるケースが多く、そもそも住宅ローンを申し込めない可能性があります。

不動産売買を個人間で行うときの注意点

不動産売買を個人間で行う場合、仲介手数料がかからないなどのメリットがありますが、同時にさまざまなリスクやトラブルの可能性もあります。
ここでは、不動産売買を個人間で行う際のおもな注意点を解説します。

売り出し価格に注意

まず、売り出し価格が市場の相場と大きく乖離していないかを確認することが重要です。
相場よりも高すぎる場合、買い手が現れにくくなります。

一方、安すぎる場合、売主が不利な取引をしてしまう可能性があるほか、取引成立後に売主と買主の間でトラブルが発生することもあります。

適切な価格設定のためには、事前に不動産の査定や市場調査を行うとよいでしょう。

贈与税のリスクを理解する

親族間などで相場よりも大幅に低い価格で不動産を売買した場合、国税庁から「みなし贈与」と判断され、多額の贈与税が課される可能性があります。

具体的に「○○円以下なら贈与税が発生する」という基準が明確にあるわけではありませんが、時価と売買価格の差額によって判断されます。

これに不安がある場合は、事前に税理士や専門家に相談することを強くおすすめします。

契約不適合責任を把握する

不動産売買には、買主が売主に対して追及できる「契約不適合責任」が存在します。
たとえば、雨漏りやシロアリの被害といった欠陥が引き渡し後に発覚した場合、売主がそれを売買契約書に明記していなければ、買主は損害賠償を請求できる可能性があります。

とくに個人間取引では、売主が欠陥に気づいていないケースも多く、トラブルに発展する恐れがあります。

まとめ

不動産の個人間売買には、仲介手数料の節約、スケジュール調整の柔軟さ、交渉の自由さ、といったメリットがあります。しかし、不動産取引は金額が大きく、トラブルが発生した場合の影響も重大です。法的な手続きの不足や契約後のトラブルを避けるためには、専門家の助けを借りたり、十分な準備を行ったりすることが不可欠ですが、専門家の力を借りている間に節約したはずの仲介手数料以上の損害が出る恐れもあります。そのため、少しでも個人間の取引に不安がある場合は、信頼できる不動産会社に相談し、安全な取引を心がけましょう。

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